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播種用種子の安定供給を目指して 


 農作物でもっと重要なのは、その土地に適した品種を栽培することと、その品種が栽培したい人にとって入手可能なことです。北海道では、この2つとも十分な環境が整っていません。

 当協会では、本州のヘンプ品種である「とちぎしろ」を取り寄せて、2014年〜15年に北海道知事から大麻研究者免許の交付を受けて試験栽培を行いましたが、開花時期が遅くて種子の実りが悪く、北海道の寒い気候には適していないことが明らかとなりました。


種子採取前に雪が降り、種子収量は、10a当たり約2.5sと栃木県の20分の1、千粒重は、
栃木県の25gの6割の重さ、発芽率も6割しかなかった。


そこで、夏季の気候条件が北海道と類似したフランスで育成されたマリファナ成分THCゼロ%のヘンプ(サンティカ品種)の種子を輸入し、北海道において試験栽培を行って生育調査、成分調査、用途開発等を計画しています。

 導入予定の品種の特徴について


@安全性の向上:

マリファナ効果をもつTHC(テトラヒドロカンナビノール)がゼロ%であるため、薬物乱用の危険性がない。また、公的なEU農業種子リスト及びOECD品種リストに登録された来歴がはっきりした品種及び種子会社からの導入となる。

A生産性の向上:
我が国の品種は、雌雄異株のため、茎(繊維)と種子の同時期収穫はできない。そのため、繊維用と種子用の畑を別々にしなければならない。しかし、導入する品種は、北海道の気候に対応でき、雌雄同株のため、茎(繊維)と種子が同時期に収穫ができ、同じ畑を利用できるため、単純に2倍の生産性がある。

B新用途の開発に貢献:

現在、ヘンプ商品はほとんどが輸入品で占められている。導入する品種によって、自然・健康志向、国産志向にニーズに対応した衣料、食品、化粧品、建材、炭、敷料、漢方などの分野に安心・安全な道産品を提供できる。

 播種用種子の輸入ができない問題について


しかし、現行の輸入貿易管理令に基づく輸入公表では、「大麻の実を熱処理等によって発芽不能処理を施したものであることを証する書類」が必須であり、実質的にフランス産の播種用種子が輸入不可能な制度となっています。

 一方、マリファナの主成分であるTHC濃度が低い品種をIndustrial hempと定義し、それを制度化したEU及びカナダでは、の食用・飼料用の種子とは異なる播種用種子のHSコードを設けて、輸入手続を速やかに進められるようになっております。

ヘンプ種子のHSコード

 国・地域  食用・飼料用ヘンプ種子 播種用ヘンプ種子 
 EU(28か国)  Hempseeds other than for sowing
1207.99.91
Hemp seeds for planting/sowing
1207.99.20
 カナダ  Hemp seed -Other
1207.99.00.19
 Hemp seed -For sowing
1207.99.00.11
 アメリカ  Hemp seeds
1207.99.0320
コード指定なし
連邦麻薬取締局(DEA)の許可により輸入可
 日本  大麻の実
1207.99.010
 コード指定なし

HSコード:国際貿易商品の名称及び分類を世界的に統一する目的のために作られたコード番号であり、貨物を輸出入する際の品目分類に用いる輸出入統計品目番号のこと

また、導入予定の品種を全世界に販売するフランスの種子会社FNPC(1932年設立)では、播種用のヘンプ種子を1560ヘクタール(2016年)生産し、約1500トンのヘンプ種子を次の48か国に輸出実績があります。

EU:28か国 +下記の20か国 =48か国
ニュージーランド、アメリカ合衆国、カナダ、マラウイ、マルコ、南アフリカ、オーストラリア、ボリビア、ウルグアイ、コスタリカ、ハイチ、パキスタン、ロシア、ケニア、スイス、セルビア、レバノン、キプロス、マダガスカル、タイ


 現状打開に向けた取り組み


 このような現状に鑑み、本協会とは共同研究パートナーであるフランス種子会社FNPCの提案により、日仏政府間で「繊維に関する協力覚書(MOC)更新版」2017年4月の行動計画の中に「両国のHEMP legislationの基準や法制度などの規制、基準、規格の協調について議論を行う」と明記されました。

また、北海道議会では、2017年12月の道議会本会議にて地方自治法第99条に基づき「産業用大麻の産業化に向けた必要な環境整備をもとめる意見書」を採択し、国会及び関係行政庁に提出しています。

本協会は、現状打開のため関係当局との協議を行っているところです。

ご参考
日仏が繊維分野に関する新協力覚書を締結

産業用大麻の産業化に向けた必要な環境整備をもとめる意見書