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北見農業試験場の研究 2005〜2008年


 

●大麻で土壌改善

 道立北見農業試験場が産業用大麻の試験栽培に取り組んでいる。肥料の過剰投入で土壌内に残留し、地下水汚染の原因となる硝酸性窒素を、旺盛な成長力の産業用大麻がどれだけ吸収するかを測定するのが狙い。昨年の調査では、予想以上の数値を示しており北見農試は「土壌改善が可能になる」と期待している。

 産業用大麻は麻薬成分を含まないように改良された品種で、海外では茎を繊維材料や建材などに活用しているが、国内での栽培例は少ない。北見農試はその成長力に注目した。1年草で春に種をまくと秋には背丈が3m以上になるため窒素肥料の過剰投入などで土壌に蓄積されている硝酸性窒素を多量に吸い上げると考えた。
 
 昨年度は約3アールの試験用畑に産業用大麻をまき、まく前と収穫後の土壌を分析したところ、約9キロもの硝酸性窒素が除去された。北見農試では「吸収力が高いとされるデントコーンなどの深根性作物の3倍にあたる」としている。硝酸性窒素は化学肥料に含まれていることが多く、作物の成長を促す一方、作物が吸収しきれないほどに過剰に投入されると土壌に残留する。
 産業用大麻をめぐっては、製品加工を目指して「産業クラスター研究会オホーツク」(北見市)も試験栽培中。北見農試は「栽培によって土壌改良が進み、将来的には繊維材料などの商品作物ともなる」と話している。

硝酸性窒素
土壌に残留した硝酸性窒素は地下水に流れ込む。人間が多量に摂取すると他の物質と結合して発がん物質となる。道の調査(1999-2001年)によると、網走管内では全道平均の8%を大きく上回る25%の井戸の水から基準値以上の硝酸性窒素が検出された。
<2006年9月18日 北海道新聞より>


この研究は、2005年から2008年の4年間に渡って実施され、下記のような報告書が発行されている。詳しくはPDFをダウンロードしてお読みください。

深根性作物の導入による汚染軽減対策(2009)  ファイルサイズ:710kb

引用:特定政策研究「安全・安心な水環境の次世代への継承−硝酸性窒素等による地下水汚染の防止・改善」成果集 北海道立農業試験場資料 第38号
http://www.agri.hro.or.jp/center/kankoubutsu/shiryou/38/fulltxtindex.html


北海道農事試験場における戦前の大麻栽培研究 1939〜1942年


戦前は、北海道農事試験場においていくつかの栽培研究を実施していました。1939年から42年に行われた研究により栃木県農業試験場で1928年に育成された「栃試1号」と呼ばれる品種が、1943年に北海道の優良品種に指定されました。


札幌1940年は、雹害(ヒョウガイ)のため子実収量の測定中止。
渡島と日高は、子実がスズメ害にあったため試験中止。
北見は霜害のため子実収量が皆無となった。
白木種とは当時の在来種の名称。
精麻率は、生茎収量からの収率を示す。

道内16か所で行われた白木種の試験栽培の結果


出典:大麻「栃試1号」に関する試験成績.北海道農業試験場業務概要.北海道農業試験場.1942.p139-144.


2014年5月からに上川管内で試験栽培が始まりましたが、同じ上川管内の農事試験場美瑛分場のころから数えると72年ぶりの試験栽培となるわけです。


 2014年5月31日、畑に移植したときの様子